検索の進化と能力の退化
Googleをはじめとする検索エンジンの進化のおかげで、情報を整理する能力が劇的に下がった人々がいるような気がしてならない。
それが正しいのかどうかわからないが、情報の種類に応じて、階層化、カテゴリ分け、時系列……みたいな軸を定めることができないのと、仮に軸を設定しても分類できない、さらには分類を維持できない、といった感じ。
何が起こっているかというと、ディレクトリ構成が第三者にわからない、ひとつのフォルダに分類されていない情報が貯まる、ちょっと時間が経つと情報を探し出せない、といったことが起こる。
そもそもが、情報が多すぎるというのもあるのだろうけど。
さて。UC版ガンダムで定義するところの「ニュータイプ」ってのは、現代の情報社会にとても類似している。ICTを使いこなしコミュニケーションを取れることは、超能力にも近い。
膨大な情報をテクストとして扱うのではなく、もっと情緒的にコンテクストとして扱う。テクストはデータをシーケンシャルに読み込み解釈が要るけれど、コンテクストはビットの塊全体を瞬間に取り扱う、というか。
「うれしい」というテクストを、感情として受け取れるのがインターネット上のニュータイプか。(この辺はもっと上手に書きたいのだけど。)
さて。今から20年以上前。某家電メーカーの就活の面接の時に、「テレパシーをやります」と宣言したことがあった。常に身につけている携帯端末には、その人の行動のログが大量に蓄積される。そのログからユーザの嗜好や気持ち、次の行動なんかも推測できて、それをバックグラウンドでコミュニケーションに活かせれば、まさにテレパシーができるんじゃないか、と熱っぽく語ったが、まぁ、落とされた。
でも今、AI技術の進歩でそういう研究がたくさんされている。ほら見ろ。あの時は伝わらなかったのだけど。
おそらく今後近いうちに、情報なんて投げ込むだけで簡単に整理される(個人や組織のコンテクストに合わせて)世界がやってくるような気がしている。ユーザを先回りしてくれるデバイスがサポートしてくれて、格納から引き出しまでやってくれる。
またまた、そんな未来を夢想してる。