つづき・積極的に治療したくないのはなぜ?
長生きだけが良い人生じゃない。
……ということは常々思っている。
もう、いつ死んでも後悔はないし、これだけはやっておきたいこと……なんかもない。
高い理想や手に届かない希望は解消したし、充実感は求めないが、まぁ、特に絶望もしていない。
健康診断の前には、良い人生とは? みたいなことをよく考える。
で、やはり、
質×時間
これは揺るがない考え方だと思う。
著しく質が低い、例えば苦しみに満ちた長い人生……これが良い人生なのか。
一瞬でも最高な気分になれた、短い人生……これは悪い人生なのか?
私は、健康診断での悪意の宣告(健康への懸念)ってのが、「著しい質の低下になる」と感じている。
診断結果から語られるのは、いつも、「寿命が短くなりますよ」というひとつの軸になる。ちゃんと処置をすれば、寿命が延びます……
おいおい、そんなのは望んでいないのだ。
お肉が好きなのに、「お肉を我慢しないと悪化します(寿命が減ります)」とか、
お菓子が好きなのに、「お菓子を我慢しないと死にます」とか。
好きなものを我慢してでも、長生きをしろと?
著しく質を下げ、それでも長く生きろと……? そんなのゴメンだ。
質の下がった毎日を延ばすための行為……それが治療だ。
病気に気付かなければ、すぐに悪化してすぐに人生の幕が閉じる。
無理矢理気付かされてしまったがために、質が下がり、そして、延々と治療が続く……
このサイクルに全く健全性を感じない。
だから、健康診断の結果は見ないし、気付かないまま手の施しようがないくらいに症状が悪化し、それを一瞬受け入れてから人生の幕を引く。
これが最も、質×時間、の解が最大になる方法ではないか?
無責任に長寿だけを押しつけてくる人たちとは、距離を置かないと人生の質が下がってしまう。
気をつけないと。